男のスーツスタイル基本の「き」

最近ファッション指南が流行っているとのことで
僭越ながら私も男のスーツスタイルについて纏めてみたのでここで公開します。

ビジネスマン5年目になってやっと分かり始めてきた男のスーツスタイル基本の「き」です。
技術と同じで奥が深い世界ですね。

スーツ

スーツの命はラペル!

 ラペルを見れば良い仕立てのスーツか見分けれると言われるほどラペルは重要です。
 スーツの命であるラペルロールを潰さないように収納には注意しましょう。
  ・肩に厚みのあるハンガーを使う
  ・スーツ同士の間隔を空けて収納する

最近の3つボタンの主流は段返り3つボタン

 第1ボタンの下でラペルがロールを描いて反り返る"段返り"タイプが最近の主流です。

ボタンを留める位置

 上着は一番下のボタンを外します。
 ラペルの折り返しが第1ボタンより下で始まる3つボタンの場合は2つ目のボタンだけ留めます。
 ボタン位置はウエストの一番細い部分で留めるのが最適とされています。

座ったときはボタンを外し、立ったときはボタンを留める

 スーツは立った状態で着用しボタンを留めたときに一番綺麗に見えるように作られています。
 イスに座る際はボタンを外してから座るようにするとジャケットにシワが入ったり、着崩れを防ぐことができます。


 また立ったときにボタンを留めないのはだらしなく見え時には礼を顧みない行為とみなされます。
 お客様先では立ったらボタンを留めるようにしましょう。

ポケットに物を入れすぎない

 ポケットが膨らんだスーツはシルエットを崩すのでポケットに入れるものは最低限にする必要があります。
 二つ折りの財布をパンツの後ろポケットに入れるとパンツの形が崩れるので気を使う人はお札を長財布、小銭は別途小銭入れに入れたりします。

パンツの裾のタイプはダブルが一般的

 冠婚葬祭ならシングル、ビジネスではダブルが一般的です。

パンツのプリーツ

 クラシックスタイルなら1か2プリーツ、モードスタイルならノープリーツです。

パンツのクリース

 クリースとはパンツの前面に入れられた縦の折り目の事です。
 消えかかったクリースは品位を損なうので常に美しい折り目を保つようにしないといけません。

スーツはローテーション

 3〜4着のスーツを着まわすのが基本です。
 スーツを休ませずに連日着用すると生地のハリが衰え寿命が縮まります。

体に合うスーツが無いときはオーダー

 イージーオーダーで10万前後、フルオーダーで15万以上です。
 値段は仕立ての良さと生地によって変わります。
 標準体型から外れている体型の場合は仮縫いで体に合わせれるフルオーダーがお勧めです。
 同じ店でオーダーを繰り返すと、より体にフィットした最高の一着に近付きます。

質の良いスーツはクリーニングに注意

 質の良いスーツは体に合わせて立体的に作られます。
 クリーニングに出すときは十分に注意しましょう。

素材はウールが一般的

ドレスシャツ(ワイシャツ)

ワイシャツというのは日本にドレスシャツを広めた大和屋シャツ店の創業者がwhite shirtを聞き間違えたため
ドレスシャツの元は下着のシュミーズ
海外では一般的にドレスシャツ自体が下着なので下に下着は着ない

 日本では高温多湿の気候の関係でドレスシャツの下に下着を身に着けてる人も居ます。
 汗でベチョベチョのドレスシャツは見苦しいというのもありますね。

下着を身に着けるなら透けないようにするのが鉄則

 間違っても柄入りや色付きの下着を着ないようにしましょう。
 透けないタイプのTシャツも発売されています。

ノーネクタイスタイルの時に下着を身に着けるならV or Uネックシャツを着用し見えないようにする
ドレスシャツは下着なのでお客様との会議時は基本的に上着を着る

 といっても高温多湿の日本では常に上着を着てすごすのは現実的ではないので
 普段は上着を脱ぐなど柔軟にしても大丈夫です。

色は白無地か淡細系ブルーがビジネスの定番

 白をベースにしたストライプもお勧め
 クレリックシャツで変化をつけるのもありです。

シャツの袖は1cm出す

 気を付けの姿勢でシャツの袖が見えないと上着がオーバーサイズに見えるので気をつけましょう。

シャツの襟は1.5cm,2cm出す

 襟と袖の2つの部分をのぞかせる事でバランス良く見えます。

体に合うシャツが無いときはオーダー

 1万5000円〜4万円程度でオーダーできます。
 スーツと同じく生地によって値段が大きく変わります。

素材はコットンが一般的

スリーピーススーツ

スリーピースの場合は上着のボタンを留めなくてもOK

 スリーピーススーツの場合は上着のボタンを留めなくても失礼にはあたりません。
 外しているほうがベストを綺麗に見せることができるので良いです。

スリーピースのベストはスーツと同じで一番下のボタンは外すのがルール

ネクタイ

ベルトのバックルに少しかかるぐらいがベストな位置
ネクタイは小紋柄、ドット柄(水玉)、ソリッド(無地)が基本

 ストライプ(レジメンタル)は英国の艦隊旗に由来し、
 特定の団体や大学に属する象徴となっているため
 国際舞台では身に着けないほうが無難です。

素材はシルクが一般的

靴下(ホーズ)

靴 or スーツの色に合わせるのが基本

 客先で靴を脱いでスリッパに履き替える可能性があるので
 スーツの色に合わせるほうが無難ですね。

比較的薄めで透けないものを選ぶ
スーツスタイルに白の靴下はタブー

 白はスポーツソックスです。スーツには絶対にあわせません。
 これしてしまうと"恥"ですので気をつけましょう。
 ただお茶会などで白足袋の代わりに白の靴下を使う場合もあります。

すねの地肌が見えるのはスーツスタイルではタブー

 十分な長さのビジネスソックス選びを心がけましょう

ベルト

革製品の中ではベルトは一番濃い色にする

 明るい色が体の中心に来ると色彩バランスが崩れやすいので
 ベルトを一番濃い色にするとうまくまとまります。

ベルト穴の中央でとまる長さに合わせる

 5穴のときは真ん中の3穴で合わせると良いです。

スーツより濃い色を履く

 足元が引き締まります

革靴のフォーマル度(世界共通)

 フォーマル度の高いもの順にカジュアル系へ
  ストレートチップ
  プレーントウ
  キャップトウメダリオン
  ウイングチップ
  モンクストラップ
  Uチップ
  ローファー
 ローファーはカジュアル系になるので
 スーツスタイルでは止めとくほうが無難です。

靴はメンテナンスをしっかりと

 靴を見ればその人の事が分かるとまでも言われたりします。
 綺麗な服を着ても靴が汚れてボロボロだと意味がありません。
 メンテナンスはしっかりしましょう。

靴購入時は十分にフィッティングを

 足のサイズは1日でも微妙に変化します。
 夕方が一番足が大きくなる時間なので午後5時以降フィッティングするとベストです。
 フィッティング時はプロに十分な時間をかけて見てもらいましょう。

靴はローテーション

 革は汗や湿気などで湿った状態になると弱くなります。
 3足以上でローテーションがベストです。
 通勤時しか履かないのであれば2足ローテーションでもいいでしょう。

ポイント

革小物の色は揃えるのが基本

 靴,ベルト,時計,名刺入れ,財布など色は出来るだけ揃えましょう。

金具の系統をそろえる

 カジュアルスタイルでも基本ですが
 ゴールド系、シルバー系など金具の系統をそろえると
 ちぐはぐな印象になりません。

シャツとネクタイは3色以内におさえる

 シャツとネクタイの色を合わせて3色以内にするとバランスが良くなります

ストライプのスーツ・シャツ・ネクタイ等を合わせるときは幅を変える

 ストライプの幅を変える事でバランス良く見えます。

お金をかけるポイント

 スーツ数十万、シャツ数万、靴数万とスーツスタイルを徹底すると高くなります。
 予算が限られる場合はまず靴にお金をかけましょう。
 靴=>ネクタイ=>シャツ=>スーツにお金をかけるのがベストです。

  「クラシックで上質な靴とネクタイは、スーツが上質でもそうでなくても、
   スーツスタイルを際立たせる。
   逆に靴とネクタイが貧相であれば、それが例え注文服であっても、
   全体の印象は驚くほどみすぼらしくなる」落合正勝氏

参考書籍

スーツスタイルに関する定番本です。

[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで

[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで