予算10万円で自作するVMwareESXi 5.0検証機

自宅でのお遊び用でVMwareESXi 5.0検証機を自作したので構成と選定のポイントメモを公開します。

仮想化支援技術(Intel)

インテルの仮想化支援技術にはIntel VT-xとIntel VT-dという2つの技術があります。

この機能により複数ゲストOSの平行動作を効率的に行うことができます。

Intel VTのH/W対応要件には以下の2項目があります。

自作する際には上記2項目に留意しパーツ選択するようにしましょう。

CPUの選択

CPUによってはVT-xやVT-dに対応していない製品もありますのでCPUを選択する際は十分注意してください。

対応情報については以下インテルサイトの「Advanced Technologies」カテゴリーに記載があります。

マザーボードの選択

マザーボードを選択する際にもVT-xとVT-dに対応しているか確認する必要があります。

Intelマザーボードの対応情報については以下インテルサイトを参考にしてください。
インテルサポート

その他マザーボードの対応状況については以下サイトも参考になると思います。
Superguide: Z68 Sandybridge Motherboard VT-d Test Matrix: Which Mobo/CPU combo works with VMware ESXi 4.1U1 VMDirectPath feature? | TinkerTry IT @ Home

VT-xは最近のマザーボードであれば大体対応していますが、
VT-dは殆ど対応が無い状況なのでPCIパススルーを利用される方は特に注意してください。

メモリの選択

ESXiでスワップが発生すると極端に挙動が遅くなるためメモリは出来るだけ多く搭載することをお勧めします。
私の環境では8GBメモリ x 4枚で32GB構成にしました。

ディスクの選択

IOPSを考えるとSSDにしたいところですが大容量化がコスト的に難しいので現状ではHDDを選択することになると思います。
少しでもスピードを速くしたい場合は7200rpm以上のHDDを選定するといいでしょう。

オプション:ESXi 5.0用USBメモリの選択

ESXi 5.0はHDD,SSDだけでなく、USBメモリにインストールすることも可能です。
VMイメージ用とESXi 5.0用を別ディスクにしたい場合は、USBメモリへのインストールも検討できます。

オプション:ホストキャッシュ用SSDの選択

ESXiにはメモリのオーバーコミット機能があります。
この機能により物理環境に搭載されたメモリの容量以上に各仮想マシンに対してメモリを割り当て、仮想的なスワップでコントロールすることができま す。

ESXi 5.0からメモリのオーバーコミットを支援する目的でホストキャッシュ機能が実装されました。
この機能は、SSDをハイパーバイザのメモリスワップ置き場にすることで、メモリスワップ時の速度低下を軽減させる機能です。
ホストキャッシュ機能によりメモリのオーバーコミットを行った場合でも、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えることが出来るようです。

上記メリットがあるため搭載メモリ容量では足りないと思われる場合にはSSDのホストキャッシュ化をお勧めします。
SSD選択時は書き込み性能に注目して選定するといいでしょう。

オプション:NICの選択

オンボードNICとしてよく利用されるRealtek NIC(通称蟹)がESXi 5.0からサポートされました。
これにより大抵オンボードNICで事足りると思いますが、複数LANポート用意して遊びたいのであればNICを追加購入するといいでしょう。
NICを追加購入する場合はIntelNICが動作報告も多くお勧めです。

今回私が組んだ構成と値段

今回予算10万程度で手近のお店を回って購入したため9.1万円程度の構成になりました。
多分最安のお店でパーツを集めれば8万円前後で構築可能だと思います。

  • ケース:Scythe MONOBOX Micro 5,780円
  • 電源:SILVERSTONE SST-ST50F-P (ATX 500W 80+ブロンズ) 6,980円
    • 常時起動であれば80+認証電源で80+ Bronze以上を推奨です。
  • マザボ:ASUS P8Z68-M PRO 10,480円
  • CPU:Intel Core i7 2600 BOX (1155/3.40/8M) 23,780円
    • VT-x, VT-d対応です。
  • メモリ:GEIL GOC332GB1333C9QC (DDR3 PC3-10600 8GBx4) 16,970円
  • HDD:HITACHI HDS723020BLA642 (2TB 7200rpm 64M) 16,480円
    • スピード優先で選定しました。
  • オプション:DVDドライブ:Pioneer DVR-217J 5,380円
    • ESXiをインストール時に使用しました。頑張れば無くてもインストールできるようです。
  • オプション:DVD-Rメディア: 2,080円
    • ESXiのインストールメディア用のDVD-Rです。
  • オプション:書籍: VMware徹底入門 第二版 3,654円

今回組んだESXi 5.0検証機のゲストOSでCrystalDiskMarkを動かしてみましたので参考に下記します。

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CrystalDiskMark 3.0.1 x64 (C) 2007-2010 hiyohiyo Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s] Sequential Read : 116.638 MB/s Sequential Write : 117.778 MB/s Random Read 512KB : 46.140 MB/s Random Write 512KB : 61.380 MB/s Random Read 4KB (QD=1) : 0.606 MB/s [ 147.9 IOPS] Random Write 4KB (QD=1) : 1.383 MB/s [ 337.6 IOPS] Random Read 4KB (QD=32) : 1.432 MB/s [ 349.5 IOPS] Random Write 4KB (QD=32) : 1.381 MB/s [ 337.3 IOPS] Test : 1000 MB [C: 49.5% (19.7/39.9 GB)] (x5) Date : 2012/02/19 22:53:01 OS : Windows Server 2008 R2 Enterprise Edition (Full installation) SP1 [6.1 Build 7601] (x64)